お客様 各位
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
トランプ政権の相互関税措置に対抗・緩和する目的で、2025年に日米間で合意された対米投資は、日本が29年1月までにエネルギー、AI、半導体、重要鉱物などの分野へ集中的に投資する枠組みであり、関税率引き下げ(15%)を目指す他、強靭なサプライチェーン構築する目的とされています。その中で米国での人工ダイヤモンドの製造が第1弾として挙げられている報道がなされており、改めて人工ダイヤモンドを取り巻く現状、それに対する所見を伝えさせていただきます。
<人工ダイヤモンドの用途>
人工ダイヤモンドの用途として、その硬さや対摩耗性、熱伝導性から、半導体製造には欠かせない材料であり、現在では粒子・粉末状のダイヤモンドが様々な工程で使用されており、弊社取扱いの主力製品となっております。また今後は半導体基盤用途として、板状のものが実用化に向けて検討されております。
<人工ダイヤモンドのマーケットと懸念>
世界の人工ダイヤモンドパウダーはその95%以上が中国での生産と言われており、日本では年間約2.5億カラット前後を世界から輸入。その60%程度を中国からの輸入に頼っており、残りは米国、アイルランド、韓国、スイスの主要4か国からですが、それらの原料の元を辿ると中国にて合成製造されたものと言われております。
このように中国の圧倒的なシェアと、半導体製造に欠かせない材料であることから、レアメタルと同様にダイヤモンドが戦略物質として取り扱われつつあることが昨今の問題となっており、今回の米国投資案件の一つとして俎上に上げられたものです。
また実際に中国当局も、25年10月の輸出規制通達。その後の施行1年延期。また年末には、一部ダイヤモンドプレート材料の輸出規制強化が実施され、輸出規制の実行は予断を許さない状況です。
<米国投資に関する見解と弊社の対応>
工業用ダイヤモンドの供給元が一国に集中することなく、様々なソースで多様な製品が市場に出ることで健全な競争が形成されることは歓迎すべきことです。しかし米国での生産開始まで年単位の時間を要することや供給量・価格を考えても、中国製ダイヤモンド砥粒を日本のものづくり現場から排除し、切り替えることは現在の商品ラインナップや品質・価格の面でも不可能で、弊社は引続き中国製ダイヤモンドのサプライヤーとしての役目を担うべきと考えており、中国の合成メーカー各社と上手に付き合いながらリスクを減らすことを考えております。
具体的には在庫の積み増しの他、一部製品の第三国製造の検証をすでに進めており、また一部工程を日本国内へ移管すべく試作品テストを順次実施しております。それは中国製すべての置き換えを意図するものでなく主要な砥粒製品のセカンドサプライを期待するものです。
これらについては順次お客様へご紹介させていただく予定ですが、ご興味があれば弊社営業担当までお問合せください。
<人工ダイヤモンドユーザー様へのお願い>
米国製品がいつ市場に出回るか不確定でありまた、中国政府の輸出規制がいつ発出されるかわからない状況下において以下2点を改めてお願いする次第です。
*在庫積み増しの検討
*規制時対応として砥種を絞ることができるか
特にダイヤモンド砥粒の種類を減らすための切り替え検討は通常であれば、
砥粒基礎評価→工具性能の評価→N増し評価→工具ユーザーへの変更申請
と最低でも数カ月を要する作業ですが、2026年11月9日まで時間が限られていることと中国当局の出方により予断を許さない状況下であり作業が急がれます。そこで弊社では、取り扱う砥粒製品のみならず他社製品との比較データベースをお客様に提供、基礎評価において活用いただけますので、必要であれば弊社営業担当へお問合せください。
また引続き、早めの御発注と在庫の確保検討について、重ねてお願い申し上げます。
本件については工具用途や調達方針等、状況が異なることと承知しており、お客様毎の対話を通じて理解させていただく必要性を痛感しており、ご不安や方針の相談事があればお気軽に弊社営業担当までご連絡をいただますようお願い申し上げます。
引続き御理解とご協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
2026年2月13日
株式会社グローバルダイヤモンド
代表取締役社長 小杉 剛